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先輩移住者の声
先輩移住者の声 Voice of seniors.

移住者インタビュー

「僕を応援してくれた皆さんに恩返しを」
金沢でスタートさせた新たなサッカー人生。
木村 龍朗さん
プロフィール
木村 龍朗(きむら たつろう)
出身:
広島県生まれ
現住所:
金沢市
移住年:
平成18年(2006年)
職業:
サッカークラブの運営、指導

金沢で暮らすようになったいきさつを教えてください。

木村平成18年(2006年)に当時、北信越リーグ1部に所属していたツエーゲン金沢に入団したことがきっかけです。そもそも僕は高校時代からJ1のサンフレッチェ広島の下部組織に所属し、平成15年(2003年)からはトップチームでプロ選手としてプレーしました。しかし、J1では思うように結果が出せず、3年目の契約を満了した時点で、来期は契約しないと言われました。もうサッカーをやめようかと考えていた時に誘ってくれたのがツエーゲン金沢のゼネラルマネジャー(GM)でした。ツエーゲン金沢とサンフレッチェ広島のGMは親しい間柄です。それで僕のことを知って、「まだやめるのはもったいない。半年間やってみないか」と声を掛けてくれたのです。

金沢に来たのはその時が初めてですか。

木村金沢には高校2年の夏休みに、広島県選抜の一員として国体前の強化遠征で一度来たことがありました。ただ、その時は特に金沢を感じられるような思い出はなく、広島からバスで行きましたから遠いところにあるなという印象でした。

住み始めてからの印象はいかがですか。

木村金沢へ来る前はすごく田舎を想像していたのですが、決してそんなことはありませんでした。いろいろな施設や店が充実していますし、僕が住み始めてからの10年間だけを見ても、首都圏の店や他の地方都市にないような店もどんどん進出しています。特に北陸新幹線が開通してからは街も随分変わったように思いますね。

温暖な広島と比べると、金沢の冬は寒く感じたのではないですか。

木村入団したのが真冬だったので、とにかく寒くて、慣れるまでは、あまり出歩きませんでしたね。でも、住み始めると寒いと言ってもせいぜい2?3カ月のことだと分かりましたし、主要な道路には積もった雪を水で溶かす融雪装置も付いています。雪道での車の運転にもすっかり慣れました。それに、寒い分、海鮮は本当においしいですね。金沢市出身で星稜高校からサンフレッチェ広島に入団した田中俊也選手とは同期でしたから、金沢は食べ物がおいしいとは聞いていたのですが、住んでみて実感しました。以前はそんなにお寿司が好きではなかったのですが、今は大好きです。広島時代の後輩で日本代表の柏木陽介選手など、友達や先輩、後輩がよく金沢に遊びに来るのですが、みんな大満足で帰っていきますよ。

ところで、現在はサッカークラブを運営し、小中学生を指導されています。現役引退後も金沢にとどまったのはなぜですか。

木村それは僕を応援してくれた金沢の皆さんに恩返ししたいと思ったからです。僕は金沢に来た当初から、25、6歳までにJリーグに戻ることができなければ引退しようと考えていました。僕が入団した年から3年間、ツエーゲン金沢は北信越リーグでは上位を争っていたのですが、昇格はかないませんでした。それならば個人で勝負してみようと、最後の年にはJリーグのチームの練習に参加するなどしたのですが契約はできませんでした。それで、25歳になる年に引退を決意したんです。引退後は特に進路を決めないまま、広島に帰るつもりでした。しかし、金沢でお世話になった方々にあいさつ回りをすると「引退するのは仕方ないけど、いなくなるのは寂しい」「せっかく金沢でたくさんの人脈ができたのにもったいない」など、大勢の方に引き止めの言葉を掛けてもらいました。私も3年間で金沢の街も人も大好きになっていましたし、それならば、金沢でチャレンジしてみようと考え直したのです。

サッカークラブはどのようにして立ち上げたのですか。

木村実は最初からサッカークラブを作ろうと思っていたわけではありません。しばらくは、金沢で自分に何ができるだろうと悩みました。でも、それまでの僕の人生にはサッカーしかなかったですし、金沢で多くの人と知り合うことができたのもサッカーのおかげです。やはりサッカーで恩返しがしたいとクラブの設立を思い立ちました。その後、選手時代から懇意にしていた中野栄治さんが主宰するサッカースクールを発展させるかたちで「パテオフットボールクラブ」として活動を始めました。立ち上げに当たっては、法人の設立などについて、本当に多くの方々に支援してもらいました。金沢の人は、親しくなるまでは結構距離を置くのですが、いったん仲良くなると、とことん親身になってくれる人が多い、温かい街だと思います。

現在の活動状況と今後の抱負を聞かせてください。

木村サッカースクールを開催するほか、平成24年(2012年)からはU-15(中学生)、U-12(小学生)のチームを作って活動しています。中学生は1学年25人、小学生は1学年10~15人で総勢200人余りが練習に参加しています。僕のネットワークを生かして、広島や関東まで遠征して強いチームと試合をしたり、遠征先で日本代表として活躍するような選手に触れ合う機会を作ったりと、県内だけでは経験できないような取り組みにも力を入れています。年々規模も大きく、レベルも上がっていて、県内の有力選手もパテオを選んでくれるようになりました。僕自身もすごくやりがいを感じていて、むしろ選手の時よりも楽しいほどです。将来的には社会人チームを作るなど、少しずつクラブを充実させていきたいですし、これからも金沢のサッカー文化の発展に貢献できればうれしいですね。

移住を検討している方にメッセージをお願いします。

木村金沢の街はコンパクトですから、生活にすごく便利で、心地よく暮らすには最適だと思います。古い町並みがあったり、現代的な建物があったりと、街の雰囲気も素晴らしいです。当初、住もうと思っていなかった僕でも、ずっと暮らしていけるほどですから、移住を検討している方であれば、きっと気に入ると思いますよ。

木村さんが運営するサッカークラブはこちら!
「パテオフットボールクラブ」
http://pateofootballclub.com/

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